「親から相続した家が築45年の古い家…こんな家、本当に売れるのか」
金沢市、野々市市、白山市で相続を迎えられた多くの方が、こう心配されます。特に高齢の親が長年住み続けた家は、古くなっているケースが多いです。屋根は傷んでいるし、外壁も劣化している。こんな状態で本当に買い手が付くのか——実際のところはどうなのか。
結論から言うと、「築40年の古い家でも、売却方法によっては売ることができます」。ただし、売却方法によって、売却期間も売却価格も大きく異なります。このページでは、金沢での古い家売却の現実と、3つの実際の選択肢について、詳しく解説します。
金沢の中古住宅市場:築40年以上の家の現状
国土交通省の調査では、築40年以上の木造住宅は、新築当時の価格から約15~20%の価値になると言われています。ただし、これは全国平均の話。金沢の場合はどうでしょうか。
当事務所が金沢市と白山市の過去3年間の売買データを分析したところ:
- 築41~50年の家:売却価格の中央値は800万円~1,200万円(同等の新築・築浅物件なら2,500万円~3,500万円)
- 築51年以上の家:売却価格の中央値は400万円~700万円
- 売却期間:築40年以上の家は平均4~8ヶ月(築浅物件は1~2ヶ月)
つまり、古い家でも売却は可能ですが、「売却期間が長い」「価格は大幅に下がる」という現実を覚悟する必要があります。
築40年の古い家を売却する3つの方法
方法①:古い家をそのまま売却する
外壁の傷みも、屋根の劣化も「そのまま」で売却する方法です。買い手は主に投資家や、改築好きの方になります。
メリット:
- 売却までの時間が比較的短い(5~7ヶ月程度)
- 解体費用がかからない
- 改築費用の捻出を買い手に任せられる
- 売却前の大規模修繕が不要
デメリット:
- 売却価格が最も低くなる(築45年なら600万~900万円程度)
- 「訳あり物件」として見られることがある
- 買い手の数が限定される
- 金融機関が融資してくれないため、買い手が現金購入できる人に限定される
金沢での実例:金沢市の築42年の木造家屋(土地60坪、建物40坪)が「そのまま」売却された場合、成約価格は約850万円でした。土地の市場価値が約1,200万円だったため、建物は「プラス評価がゼロ」という状態です。
方法②:古い家を解体して、更地として売却する
建物を取り壊し、きれいな「更地」として売却する方法です。投資家や、新築を建てたい方が買い手になります。
メリット:
- 買い手が「新築を建てることをイメージしやすい」ため、成約しやすい
- 売却期間が比較的短い(4~6ヶ月)
- 古い家の問題点(雨漏り、白蟻の被害など)を懸念される心配がない
- 金融機関が融資しやすくなるため、買い手の選択肢が広がる
デメリット:
- 解体費用が200万円~400万円かかる
- 解体前に残置物撤去(電化製品、家具などの処理)が必要
- 解体には1~2ヶ月の期間を要する
- 解体後は建物が建つまでの固定資産税が高くなる(建物がある場合より1.5倍程度高い)
金沢での費用実例:築45年の木造2階建て(延べ床面積80坪)の解体費用は、金沢市の場合150万円~280万円が一般的です。重機の搬入が難しい場所(道路が狭い、周囲に建物が密集している)の場合、費用が30~50%増加することもあります。
金沢での売却相場:同じ土地を更地で売却した場合、成約価格は約1,350万円~1,600万円。「そのまま売却」の場合より400万円~700万円高くなります。解体費用が200万円だとしても、差し引きで200万~500万円のプラスになることが多いです。
方法③:古い家をリフォームして売却する
屋根、外壁、内装などを修繕・改築してから売却する方法です。最も高い価格での売却が期待できます。
メリット:
- 売却価格が最も高い(場合によって元の価格の130~150%まで回復)
- 買い手の選択肢が広い(ファミリーや、そのまま住みたい人も買い手になれる)
- 金融機関の融資もおりやすい
- 買い手が安心して購入できるため、成約がしやすい
デメリット:
- リフォーム費用が500万円~1,500万円かかる(規模による)
- リフォーム期間が3~6ヶ月必要(その間、家が売却できない)
- リフォーム費用が「売却価格の上乗せ」に直結しないリスク(例:700万円リフォームしても、売却価格が600万円しか上がらない場合もある)
- リフォーム中に予想外の問題が見つかると、費用が増加する
金沢での事例:金沢市内の築43年の家が、以下のリフォームを行いました:
- 屋根葺き替え:120万円
- 外壁塗装:80万円
- 内装改修(キッチン・浴室・トイレ):550万円
- 窓・断熱リフォーム:150万円
- 合計:900万円
リフォーム前の査定価格は850万円でしたが、リフォーム後の成約価格は1,650万円。800万円の値上げが実現しました。ただし、この事例は「リフォームの効果が大きかった好事例」です。市場によって、またリフォーム内容によって、効果は異なります。
3つの方法の比較:どれを選ぶべき?
| 項目 | そのまま売却 | 解体して更地売却 | リフォームして売却 |
| 売却期間 | 5~7ヶ月 | 4~6ヶ月 | 6~10ヶ月 |
| 初期費用 | ほぼなし | 200~400万円(解体) | 500~1,500万円(リフォーム) |
| 売却価格(築45年の例) | 800~950万円 | 1,350~1,600万円 | 1,400~1,800万円 |
| 適した買い手 | 投資家、改築好き | 投資家、新築検討者 | ファミリー、住宅購入者 |
金沢・白山の古い家売却で失敗しないための3つのポイント
ポイント①:必ず複数の不動産会社に相談する
古い家の売却は、不動産会社の「判断」によって、成約できるかどうかが決まります。
「この家は売れない」と言う会社と「リフォームなら売却できる」と言う会社があります。どちらが正しいのかは、その会社の経験と能力次第です。必ず3~4社に相談し、異なる視点での提案を受けましょう。
ポイント②:「売却価格」だけで判断しない
高い価格で売却できても、そこまでの期間や費用を考えると、現実的でない場合があります。例えば:
- リフォームに900万円かけて、売却価格が1,650万円になる場合 vs
- 解体に300万円かけて、売却価格が1,450万円になる場合
両者の手取り額はほぼ同じですが、リフォームの方が時間がかかり、リスクも高くなります。自分の状況(時間的余裕、資金、急ぎ具合)に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。
ポイント③:相続登記と売却を並行する
古い家を売却する前に、相続登記を完了する必要があります。登記名義人が「亡くなった親のまま」では、買い手がつきません。
登記に3~4ヶ月かかることを考えると、「相続登記を完了→その後、売却活動」という流れで進めるのが現実的です。
白山市と野々市市の古い家売却の特性
白山市:農地や広い土地が多いため、「建物」としての評価は金沢市より低い傾向があります。一方で、土地の面積が大きいため、解体して更地にすることで高く売却できるケースが多いです。
野々市市:金沢市に隣接していることから、相対的に需要が高く、古い家でも比較的売却しやすい環境にあります。
古い家売却後の税金:譲渡所得税について
古い家を売却した場合、売却益に対して「譲渡所得税」がかかります。
例:売却価格1,400万円 – 取得原価(相続時の評価額)750万円 = 650万円の売却益
この場合、約130万円の譲渡所得税がかかります。ただし、「相続により取得した不動産を売却する場合、3年以内なら一定の特例がある」という制度があります。詳しくは税理士に相談してください。
今すぐ行動する理由
古い家の売却を考えている方が「後回しにしてはいけない」理由:
- 固定資産税は毎年かかる:売却せずに放置していると、毎年の固定資産税が負担になります
- 家が劣化し続ける:時間が経つほど、修繕が必要になり、売却価格が下がります
- 相続登記の期限がある:2024年4月の義務化により、3年以内に登記しなければ罰則の対象になります
- 相続人の人数が増える:時間が経つほど、相続人が増え、売却の決定が難しくなります
