認知症の相続人がいると不動産売却はどうなるのか
相続が発生した際、相続人の中に認知症の方がいるケースは年々増加しています。厚生労働省の推計によると、2025年時点で日本の認知症患者数は約700万人に達するとされており、高齢化が進む金沢市・野々市市・白山市でも例外ではありません。
認知症の方が相続人に含まれる場合、大きな問題となるのが「意思能力」の有無です。法律上、遺産分割協議は全相続人の合意が必要であり、その合意には各相続人に「意思能力」が備わっていることが前提となります。認知症により判断能力が低下している方は、この意思能力がないと判断される場合があり、そのままでは遺産分割協議を有効に成立させることができません。
つまり、認知症の相続人がいる状態で無理に遺産分割協議を進めたとしても、後から「無効」を主張されるリスクがあるのです。不動産の売却契約が成立した後に遺産分割が無効になれば、買主にも大きな損害が及ぶことになります。こうした事態を防ぐために、正しい手順を理解しておくことが不可欠です。
成年後見制度を利用した不動産売却の進め方
認知症の相続人がいる場合に不動産を売却するための最も確実な方法は、「成年後見制度」を利用することです。成年後見制度とは、判断能力が不十分な方を法律的に保護するための制度で、家庭裁判所が選任した「成年後見人」が本人に代わって法律行為を行います。
金沢の場合、成年後見人の選任申立ては金沢家庭裁判所に行います。申立てから選任までには通常2か月から4か月程度かかり、後見人には弁護士や司法書士などの専門職が選任されるケースが多くなっています。親族が後見人に選任される場合もありますが、不動産の売却が想定される場合は専門職が選ばれる傾向にあります。
成年後見人が選任されると、後見人が認知症の相続人に代わって遺産分割協議に参加し、署名・押印を行うことができます。ただし、後見人には「本人の利益を最優先に考える義務」があるため、本人に不利な内容の遺産分割には同意しません。不動産の売却においても、後見人は本人の法定相続分が確保されるよう監視する役割を担います。
居住用不動産の売却には裁判所の許可が必要
成年後見人が認知症の方の居住用不動産を処分(売却)する場合、家庭裁判所の許可が必要です(民法第859条の3)。これは、住み慣れた住居を安易に売却することから本人を保護するための規定です。
裁判所が許可を出すかどうかの判断基準としては、売却の必要性(介護施設への入所費用の捻出など)、売却条件の妥当性(市場価格と比較して適正か)、本人の生活への影響などが考慮されます。
金沢市内の相続不動産の場合、被相続人の自宅であっても、認知症の相続人がそこに居住していたかどうかで「居住用」の判断が分かれます。認知症の相続人が既に施設に入所している場合でも、過去に居住していた不動産は「居住用」と判断される可能性があるため、注意が必要です。
裁判所の許可申請にあたっては、不動産の査定書が必要となります。有限会社ジャパンサービスでは、裁判所への提出用の査定書作成にも対応しておりますので、後見人の方からのご依頼も承っています。
認知症の程度によって対応方法が変わるケース
認知症と一口に言っても、その程度はさまざまです。軽度の認知症で、日常的な判断はできるものの複雑な法律行為の判断が難しいという場合には、「補佐人」や「補助人」の制度を利用できる場合があります。
補佐人は、本人(被補佐人)が一定の重要な法律行為をする際に同意を与える役割を担います。不動産の売却は「重要な法律行為」に該当するため、補佐人の同意があれば遺産分割協議を進められる可能性があります。
補助人は、さらに軽度の判断能力低下の場合に選任され、特定の法律行為についてのみ同意権や代理権が付与されます。どの制度が適しているかは、医師の診断書と家庭裁判所の判断によって決まります。
重要なのは、認知症の症状が進行する前にできるだけ早く対応することです。症状が進行してからでは、手続きにかかる時間も長くなり、その間に不動産の市場価値が変動するリスクもあります。「もしかして認知症かもしれない」という段階から、早めに専門家に相談することをお勧めします。
認知症対策としての家族信託という選択肢
近年注目されているのが「家族信託(民事信託)」を活用した認知症対策です。家族信託とは、財産の所有者(委託者)が信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分の権限を託す制度です。
たとえば、金沢市内に不動産を持つ父親が、認知症になる前に長男を受託者として家族信託契約を締結しておけば、父親が認知症になった後も、長男が信託契約に基づいて不動産を売却することが可能です。成年後見制度のように裁判所の手続きを経る必要がなく、機動的な対応ができる点がメリットです。
ただし、家族信託は「認知症になる前」に契約を締結する必要があるため、すでに認知症が進行している場合には利用できません。相続が発生してから初めて認知症の相続人の存在が問題になった場合には、前述の成年後見制度を利用するしかありません。
将来の相続に備えて、親が元気なうちに家族信託を検討しておくことは、金沢の不動産を円滑に承継するための有効な手段です。2026年時点で家族信託の利用は増加傾向にあり、対応できる専門家も増えています。
認知症の相続人がいても売却は可能です
認知症の相続人がいるからといって、不動産の売却を諦める必要はありません。成年後見制度を適切に活用し、専門家と連携しながら手続きを進めることで、合法的かつ確実に売却を実現できます。有限会社ジャパンサービスは、金沢市西都を拠点に創業35年、宅建免許を9回更新した確かな実績を持ち、認知症の相続人がいるケースを含む複雑な相続不動産の売却を数多く手がけてきました。弁護士・司法書士・税理士との連携体制も整えています。まずは無料相談で、現在の状況をお聞かせください。
相続した不動産のお悩み、有限会社ジャパンサービスにお任せください
創業35年、金沢市西都の地元密着。金沢市・野々市市・白山市の相続不動産を専門に、査定から売却・税務連携まで一貫サポート。宅建免許を9回更新した確かな実績でお応えします。
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