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遺言書がある場合の金沢市相続不動産売却|検認・遺言執行者・遺留分の注意点を解説

遺言書がある場合の相続不動産売却はどう変わるのか

被相続人が遺言書を残していた場合、相続不動産の売却手続きは遺言書がないケースとは大きく異なります。遺言書があれば、原則として遺産分割協議を行う必要がなく、遺言書の内容に従って不動産の帰属先が決まります。これにより、相続人間の話し合いが不要となり、売却までの時間を大幅に短縮できる可能性があります。

金沢市内の相続相談でも、遺言書の存在によって手続きがスムーズに進んだケースは多くあります。一方で、遺言書の種類や内容によっては、かえって手続きが複雑になることもあるため、遺言書が見つかった場合は内容を正確に理解したうえで、適切な手順を踏むことが重要です。

ここでは、遺言書がある場合の相続不動産売却について、遺言書の種類ごとの手続きの違い、注意すべきポイント、税制上の取扱いなどを詳しく解説します。

遺言書の種類と検認手続き

遺言書には主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。それぞれ、相続不動産の売却に至るまでの手続きが異なります。

自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言は、被相続人が全文を自筆で書き、日付と氏名を記して押印した遺言書です。自宅で発見された自筆証書遺言は、家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。検認とは、遺言書の存在と内容を確認し、改ざんを防止するための手続きであり、金沢市内の方であれば金沢家庭裁判所に申し立てます。検認には相続人全員への通知が必要で、申立てから検認完了まで1か月から2か月程度かかるのが一般的です。

なお、2020年7月から開始された「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局に保管されていた遺言書は、検認が不要です。金沢地方法務局(石川県金沢市丸の内1番1号)に遺言書が保管されているかどうかは、相続人であれば照会することができます。

公正証書遺言の場合

公正証書遺言は、公証人が作成し公証役場に原本が保管されている遺言書です。家庭裁判所での検認手続きは不要であり、遺言書の存在が確認できればすぐに相続手続きに着手できます。公正証書遺言の存在を確認するには、全国の公証役場で「遺言検索システム」を利用して照会することが可能です。

公正証書遺言は形式不備による無効リスクがほぼなく、相続手続きを最もスムーズに進められる遺言書の形式といえます。

遺言書に基づく相続登記と売却の流れ

遺言書の内容に従って不動産を取得する相続人が確定したら、相続登記を行います。遺言書がある場合の相続登記に必要な書類は、遺言書がない場合と一部異なります。

公正証書遺言の場合は、遺言書の正本または謄本、被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本、不動産を取得する相続人の戸籍謄本と住民票、固定資産評価証明書を準備します。自筆証書遺言の場合は、これらに加えて検認済証明書が必要となります(法務局保管制度を利用していた場合は遺言書情報証明書で代用)。

遺言書で「遺言執行者」が指定されている場合は、遺言執行者が売却手続きを主導することになります。遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為を行う権限を持っており、相続登記の申請から不動産の売却契約の締結まで、他の相続人の協力がなくても進めることができます。これは、相続人間で意見が対立している場合に大きなメリットとなります。

遺留分との関係に注意

遺言書で特定の相続人に不動産を集中させた場合、他の相続人の遺留分を侵害する可能性があります。遺留分とは、法定相続人に最低限保障された相続分のことで、配偶者や子どもには法定相続分の2分の1が遺留分として認められています。

遺留分を侵害された相続人は、不動産を取得した相続人に対して「遺留分侵害額請求」を行うことができます。この請求は金銭で行われるため、不動産そのものを返還する必要はありませんが、遺留分に相当する金額を支払わなければなりません。

実務上は、遺留分侵害額の支払い原資を確保するために不動産を売却するケースがあります。例えば、被相続人が遺言書で長男に不動産を相続させたものの、次男から遺留分侵害額請求を受けた場合、長男が不動産を売却して得た代金の一部を次男に支払うという流れです。

遺留分侵害額請求の時効は、相続の開始と遺留分の侵害を知った時から1年間、また相続開始から10年間で消滅します。遺言書の内容が他の相続人の遺留分を侵害している可能性がある場合は、早期に専門家に相談して対応策を検討することが重要です。

遺言書がある場合の税務上のポイント

遺言書に基づいて相続した不動産を売却する場合も、税務上の取扱いは遺産分割協議で取得した場合と基本的に同じです。売却時には譲渡所得税が課税され、取得費は被相続人の購入価格を引き継ぎます。

ただし、遺言書で「遺贈」(相続人以外への贈与)が行われた場合は、取扱いが異なるケースがあります。特に、法定相続人以外への遺贈の場合は、相続税の計算において2割加算の対象となるなど、税負担が変わることがあります。

また、遺言書がある場合でも「取得費加算の特例」や「相続空き家の3000万円特別控除」は適用可能です。ただし、それぞれ適用要件を満たす必要があるため、2026年時点の最新の税制をもとに、税理士に確認しながら進めることをおすすめします。

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